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ドラゴンドラ

2019.10.27
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 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」は川端康成の名作「雪国」の冒頭であるが、群馬と新潟の県境の上越線の清水トンネルを抜けると新潟県南魚沼郡湯沢町で、冬は雪深い越後湯沢の温泉町が小説の舞台となっている。1931年に清水トンネルが開通し上越線が開業すると、首都圏から新潟への行程は信越線経由より飛躍的に短縮された。今は、上越新幹線、関越道が、谷川岳など急峻な山々が連なる三国山脈をトンネルですっと通り抜けてしまう。 

 8時過ぎに自宅を出て、名阪道、名古屋高速、中央道、長野道、上信越道、関越道を通り、国道17号線で苗場プリンスホテルに向かう。ホテルには明るいうちに着くことができた。
 
 翌朝、ホテルからバスに乗り、苗場ドラゴンドラ山麓駅(標高921m)に向かう。大型バスから観光客が大勢降り、ゴンドラ乗り場に並んでいるが、背中合わせ座席の前向き4人、後ろ向き4人のゴンドラが次々と来るので、あまり待たずに乗り込むことができた。ロープウェイの大きな函に大勢乗るのとは異なり、全員座って景色が眺められ快適である。

 ドラゴンドラは、苗場スキー場とかぐらスキー場の田代エリアを結ぶ、全長5,481メートルのプリンスホテルが運営する日本最長のゴンドラであり、山麓駅とドラゴンドラ山頂駅(1,346m)の間は25分の空中遊覧である。2001年12月の開業で、当初は冬季スキーシーズンのみの運航であったが、2017年4月からは春、秋の季節運航も行っている。ドラゴンドラは、二つの尾根と渓谷を上り下りしながら進むのでドラゴンの背のようだと言うことで命名されているそうである。

 山々は杉の緑と黄金色に色づくカラマツにモミジ、ウルシなどの赤色を混ぜ鮮やかである。最初の尾根を越えると、二居湖(ふたいこ)へ流れる清津川へジェットコースターのように急勾配を下りはじめ、紅葉の渓谷美が眼下に広がり、皆感嘆の声をあげる。二居湖(ダム)は、J-POWERが運営する奥清津発電所(第一発電所100万kW、第二発電所60万kW)の下部調整池であり、田代エリアには上部調整池のカッサダム(田代湖)があり、有効落差470メートルを利用した国内屈指の揚水発電が行われている。

 ドラゴンドラ山頂駅を降りると、高原となっており、散策しながら田代ロープウェイ山頂駅(1,413m)へ向かう。全長2,175メートルのロープウェイは定員91名で、所要時間10分で田代ロープウェイ山麓駅(802m)に着く。途中、発電所の水圧鉄管、発電所、二居ダムを上から見ることができる。紅葉の山々とエメラルドグリーンの湖の対比も美しい。

 今回の旅は、片道600キロメートルの道程であったが、素晴らしい紅葉をみることができ、来た甲斐があった。錦秋に染めた山々と渓谷は目を見張るばかりであり、錦を織りなす自然の綾は見事と言うほかに無い。

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