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ヨーロッパアルプス紀行「⑤アイガーウォーク」

2019.07.26
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 ユングフラウヨッホ駅から帰りの電車は、トンネルを抜けると、アイガーグレッチャー駅(2,320m)に停車する。アイガーグレッチャーはアイガーの西壁とメンヒとの間から流れる全長2.6キロメートルの氷河で、駅から間近に眺めることができる。氷河を背にクライネ・シャイデック駅(2,061m)まで、約2.5キロメートルのハイキングコースをゆっくり下る。

 線路沿いの斜面はアルプ(放牧地)で、カウベルを首からぶら下げた牛がのんびり草を食み、昼寝をしている。アルプは沢山の高山植物が競い合うように花を咲かせている。日本の高山植物と似たものもあるが、実際は別種の植物で、スイスの固有種が多いと言う。有名なエーデルワイスやアルペンローゼにお目にかかることはなかったが、ホタルブクロ、アマ、ミヤマムラサキ、ミミナグサ、エリヌス、キンポウゲの仲間など種類は豊富であり、高山植物のガイドブックと照らし合わせても中々名前を特定することは難しい。

 厳しい自然条件のもとで、これほど多彩な高山植物が根付いているのは、牛が草を食べ、糞をして、それが肥料となっているからだと言う。日本の国立公園などでは、高山植物が生えているところへ人が踏み入ることは禁止であるが、なにせ人間より巨体の牛が歩き回っているところなので、自由に入り、手に取り、撮影ができる。

 クライネ・シャイデックに近づくと、ファルボーデンゼー湖が見えてくる。冬にスキーゲレンデの人工雪をつくるための貯水湖であるが、湖岸にはベンチやテーブルがあり、眼前に迫るアイガー北壁やアイガー氷河を見ながらお弁当を頂いた。晴れているとアイガー、メンヒの姿が湖面に映るそうである。湖岸を形成する石には、アイガー北壁で亡くなったクライマー達の名前が刻んであった。

 クライネ・シャイデックに着き、後ろを振り返ると、ドドーンとアイガー氷河の一部が崩れ落ちる音が谷合に響き、石が転げ落ちる音が続いた。氷河は確実に後退しているそうだが、氷河や雪渓があってこそのアルプスの絶景であり、ウオーキングの楽しみがいつまでも続いてほしいものである。

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