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ヨーロッパアルプス紀行④ユングフラウヨッホ

2019.07.26
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 クライネ・シャイデック駅(2,061m)を出たユングフラウ鉄道の登山電車は全長9.2kmのうち、アイガーとメンヒの岩山を最大勾配250‰でくり抜いたトンネルが7.1km。メンヒとユングフラウの稜線下の岩盤内の終点ユングフラウヨッホ駅(ヨーロッパ最高地の鉄道駅3,454m、ユングフラウは乙女、ヨッホは鞍部)に30分ほどで到着する。

 先ずはエレベーターでスフィンクス展望台(3,571m)に上る。屋内テラスと屋外バルコニーがあり、北はクライネ・シャイデックの駅を眼下に臨み、グリンデルワルトの谷を望む。東にメンヒ(4,107m)、西にユングフラウ(4,158m)を目前に見て、南には両峰から流れ落ちるアレッチ氷河を望むことができる。アレッチ氷河はヨーロッパ最長の氷河で、途中でもう一つの氷河と合流し、氷の厚さは最大900m、1年に約180mのスピードで流れ、全長約22kmもあるという。そのスケールに只々圧倒され見入ってしまう。巨大な白龍が静かに横たわっているようである。
 
 アレッチ氷河の上部の雪原では、スポーツイベントが行われていた。カメラの望遠で見るとハンドボールの試合のようである。過去には、テニス、サッカー、クリケット、ボクシング、バスケットボール、100m短距離走など有名選手を招いて、エキジビションゲームが行われたそうである。テラスの柵にはキバシガラスがやってきて、カメラにポーズを決めて、観光客からおこぼれを頂こうとしている。駅の上には雪の上を歩ける展望テラスがあり、氷河を約30mの深さまで掘って造ったアイス・パレスでは、夏でもマイナス3度に維持されているトンネルにペンギンやクマ、チャールズ・チャップリンの氷像などが並んでいる。夏季には様々なイベントも行われ、老若男女問わず楽しめるようになっている。
 
 駅舎には、レストラン、土産物店があるが、リンツチョコレート、腕時計、アーミーナイフの各直売店があり、ここだけの限定品もある。また、富士山五合目の簡易郵便局と姉妹提携した昔懐かしい円筒形の日本の赤い郵便ポストが置かれており、絵葉書に記念スタンプを押してヨーロッパ最高地点から送ることができる。
 
 ユングフラウ三山、アレッチ氷河を含むユングフラウ・アレッチ・ビエッチホルン地域はその大自然と歴史的価値から2001年にヨーロッパアルプス初の世界遺産に登録されている。眼下に広がるアレッチ氷河と4千メートル級の峰々の雄大な景色は1万年前まで続いた氷河期に造られたものだが、100年以上前の人も、この絶景を同じように見て感動していたであろう。ユングフラウヨッホは、しばし時を忘れるほどの雲上の「おもてなし」である。

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