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ヨーロッパアルプス紀行③ユングフラウヨッホへの登山鉄道

2019.07.26
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 グリンデルワルト駅(1,027m)からヴェンゲルンアルプ鉄道に乗り、アイガー西側山麓の鞍部にあるクライネ・シャイデック(2,061m)まで行く。ヴェンゲルンアルプ鉄道の全線開業は1893年である。この線はラックレール方式のうちリッゲンバッハ式(中央のラックレールが梯子のような形状)である。日本の鉄道でのラックレール方式は、ほとんどがアプト式(ラックレールが歯の位相をずらした2枚か3枚の板)なので、鉄道オタクは目が皿になってしまう。電車はグルント(944m)まで一旦下り、スイッチバックしてクライネ・シャイデックを目指す。グルントを出るとアイガー北壁の麓の放牧地(スキーゲレンデ)をグングンと力強く登って行く。

 クライネ・シャイデック駅で降りてユングフラウ鉄道に乗り換える。こちらの線路はシュトループ式(レールの上部が歯型をしている)のラックレール方式であり、終点ユングフラウヨッホ(ヨーロッパ最高地の鉄道駅3,454m)まで一気に上る。全線(約9.2km)開業は1912年である。ユングフラウヨッホは、ユングフラウ三山(東からアイガー3,970m、メンヒ4,107m、ユングフラウ4,158m)のうち、メンヒとユングフラウの間の稜線下にあり、ユングフラウ鉄道の上部は、アイガーとメンヒの岩盤を掘ったトンネルとなっている。

 アイガー北壁の初の登攀成功は1938年であるが、1936年に初登攀に挑戦した一行が遭難した際には、鉄道トンネルの掘削時の石屑投棄用の導坑から救助隊が向かっている。この話を聞くと、登山鉄道の歴史の重みと、シールドマシンも無い時代に発破と手掘りに近い作業で貫通させた執念とを感じる。

 さらに、ユングフラウ鉄道は、電車の運行に要する電力確保のため、水力発電所を所有しており、下り電車の走行時は回生ブレーキでの発電を開業時から行っている。100年以上前からECOなのである。

 また、ユングフラウ鉄道とヴェンゲルンアルプ鉄道は厳冬期も含め年中運転しており、観光立国スイスを支える鉄道となっている。

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