城下町金沢

2019.05.13
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 金沢は、加賀百万石の城下町である。第二次世界大戦中に空襲を受けず、市街地には江戸時代の歴史的風情があちこちに残っている。伝統的な建造物や藩が奨励した金箔・銀箔、九谷焼、輪島塗、山中塗、加賀友禅などの工芸、加賀宝生などの文化芸術、食の分野でも醤油や日本酒、茶菓子、治部煮、北陸日本海の海の幸など、そしてなんといっても日本三名園の一つである兼六園と観光資源には事欠かない。

 兼六園は過去に何度か訪れているので、それ以外の主な観光地を足早に巡ることにした。
金沢城跡地には、石川門や三十間長屋などが現存しているが、菱櫓、五十間長屋、橋爪門などが当時の技術のままに復元されている。尾山神社は藩祖前田利家を祀り、神門が洋風、唐風が混在した3層で最上階には色ガラスがはめ込まれている。香林坊(こうりんぼう)から西へ少し下ると、長町武家屋敷跡があり、前田土佐守家資料館、野村家庭園を見学する。大藩だけに各屋敷も大きく立派である。浅野川沿いの東山周辺には東茶屋街があり、江戸時代の遊郭であった家屋を見学する。内部を改装して飲食店やお土産屋などに利用されている家も多く、多くの海外からの観光客が散策している。

 主な観光地を巡るのには、バスが非常に便利であった。金沢駅を起点として主な観光地を周遊する右回り、左周りルートと、兼六園シャトルがあり、北鉄バスの一日フリー乗車券(大人500円)でルート内のバス停での乗り降りが何度でも自由(通常の北鉄路線バスも利用可)である。数分おきに頻繁にバスが来るので移動に時間がかからず、飲食の時間も十分とることができた。昼には北陸の海の幸(ガスエビ、ノドグロなど)のにぎり寿司を堪能し、休憩時には繊細で上品な和菓子も頂き、お腹も大満足であった。

 2015年に北陸新幹線が開業してから、関東や東北などからの観光客が増加したが、一気に国際観光都市として変貌している。駅は「もてなしドーム(雨傘を差し出すようなもてなしを表現)」に駅舎、ホームが覆われており、東口を出ると、能の鼓をモチーフとした鼓門が迎えてくれる。北陸の小京都と言われる金沢は、行くたびに新しい発見があり、楽しませてくれる。長町武家屋敷跡の菓子屋の奥さんが兼六園は三名園の中でも頭抜けていると誇らしげに話していたが、伝統文化を大事にする郷土愛ともてなし文化が市民の間に浸透しているのを感じる。また行きたいと腹の虫と山の神が煩い。

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