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金沢21世紀美術館

2019.05.12
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 2004年10月にオープンした金沢21世紀美術館は、金沢市役所の隣にあり、兼六園、金沢城公園も向かいにある立地である。建物は地上1階、地下1階建て、直径112.5メートルの円形総ガラス張りで正面と言える面がなく四方に出入口があり、愛称は「まるびぃ(丸い美術館)」。この建物を中心に周囲は広い芝生で、周囲は塀もなく、歩道から自由に出入り可能である。公園を散策するような気分で、置かれたいくつかの作品やオブジェに触れることもできる。

 屋内は無料で作品を鑑賞できる「交流ゾーン」を広くとり、有料の展覧会を開催する「展示ゾーン」と分けている。恒久展示作品として、建物屋上にある「雲を測る男」、地下の展示空間をプールの水槽に見立て、透明板の天井の上に薄く水を張り、地上から見下ろすと深いプールの底に人がいるように見え、地上の人と地下の人の出会いを創出する「スイミング・プール」などがあるが、所蔵作品は観賞すると言うよりは体験型作品が多い。現代美術の収蔵と展示を方針としており、訪れた時は「大岩オスカール 光をめざす旅」を開催していた。作家大岩が表現する暮らしと、都市、社会、環境問題をテーマとした世界観をゆっくり観賞することができた。現代アートと言うと頭の固い小生には理解しがたいところがあるが、なかなかどうして味わい深いではないかと思わせてくれた。

 多くの地方の公立美術館の経営が思わしくない中にあって、ここは入館者の数が驚異的である。兼六園などの観光のついでに訪れる人も多いが、美術館を主目的にする人も多く、金沢観光の一翼を担っている。また、地元の児童学生の美術鑑賞教育活動、産業界や工芸デザインなどにも刺激を与えて、地域社会を活性化させる働きも十分に果たしている。

 美術館設立時のコンセプト「開かれた公園のような美術館」の実践と、他の美術館にはない収蔵、展示の工夫がされ続けている素晴らしい美術館である。

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