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モンゴルの太陽光発電

2019.01.22
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モンゴルは広い。面積は日本の4倍以上だが、人口密度は2人/k㎡程度。中国とロシアに挟まれた内陸国で、西は山岳地帯、その東には1000~1500mの高原の草原地帯、北東には針葉樹林が広がり、あとは、高山砂漠とステップ地帯が南側のゴビ砂漠まで続いている。ステップは森林を形成するほど雨量はなく、砂漠ほど乾燥していない地域をさし、夏は暑く、冬は寒冷である。モンゴルは、人口が全土で300万人を少し越えるほどであるが、草原地帯では、その何倍もの羊、ヤギ、牛、馬が放牧されている。年間雨量は200~300mmほどであり、遊牧民が「ゲル」といわれる移動式テントに住み、羊や牛が草をのんびりと食む姿がモンゴルの代表的な風景である。

訪れたのは、首都ウランバートルから70kmほど南西に位置する、まもなく開港を予定しているウランバートル新国際空港を望むなだらかな丘陵地帯に設置された太陽光発電所である。幅800m、奥行き700mの敷地に発電容量320Wの太陽光パネルを51,372枚設置し(計15MW)、年間発電量は約2300万kWh、約18,438トン/年のCO2排出量を削減できる見込みである。傾斜角45度の架台に2m×1mのパネルを横にして4段で取り付け、ズラリと並んだ光景は圧巻である。

今年の冬は暖かいそうで、天気も良くて無風であったが、それでも踏みしめる雪はキュッキュッと音がする。近くの小高い丘に登り、発電所のはるか向こうに新空港の管制塔やターミナルビルが見ることができた。見渡すと空港関連の建物と、この発電所以外に構造物は何もない。太陽光パネルを何枚でもおけるスペースはこの国にはあると実感する。グリッドの送電網拡充や電力変動に対する措置が必要だが、冬でも日射量は結構あり、外気温も低いので太陽光パネルの高温での性能低下もなく恵まれた条件にある。

かなたの山を越え、ウランバートル市内へ戻ると、石炭火力発電所や、各建物からの石炭ボイラーの排煙、自動車排ガスで、冬季の盆地は温度成層が形成されスモッグの中に埋もれていた。世界でも最悪の大気汚染大都市である。夏の爽快な草原のイメージとはあまりにかけ離れた環境であり、地球温暖化防止より先に健康被害防止を優先すべきである。

 

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