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名古屋ボストン美術館

2018.07.01
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「名古屋ボストン美術館」を初めて訪れた。名古屋からJRで一駅の金山で降りると直ぐ目の前にある。交通が至便なのでその内と思っていたが、今秋10月8日で閉館すると聞き、思い立っての訪問である。

「名古屋ボストン美術館」は1999年の開館で、ニューヨークのメトロポリタン美術館、シカゴ美術館とともに米国三大美術館と云われているボストン美術館と20年間の姉妹館契約を結んでいる。その関係で、名古屋ボストン美術館自身は資料の収集・保有はせず、基本的には展示資料は全てボストン美術館から借り受けるシステムとなっている。(最近は他の美術館などの所蔵品の展示も行われている。)

姉妹館契約は名古屋側に展示品の選定権が無く、ボストンの所蔵品と他の美術品を一緒に展示できないなど、独自の企画立案が出来ず、さらに、開館後20年間で米国側へ約5千万ドルを寄付することも義務付けられていたなどの様々な運営上の障害があり、赤字運営が続き閉館が決まったようである。

訪れた時は、「ボストン美術館の至宝展」と銘打ち、ボストン美術館の所蔵品として、古代エジプト美術、中国美術、フェノロサ、モース、岡倉天心らが収集した屏風画などの日本美術、ミレー、シスレー、モネ、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなど名立たるフランス絵画、アメリカ絵画から現代美術まで数多くの作品が展示されていた。中には自国にあれば国宝級のものも数多くある。展示物の写真をお見せできないのが残念である。

ボストンはながらく、ヨーロッパ船との交易で財をなしてきた街で、かつての富裕層の収集品が数多くボストン美術館に寄贈され、膨大なコレクションとなっている。素晴らしい作品が散逸することを防いでくれたとも言えるが、水は高きから低きに流れるように、文化財は富のあるところに流れ集まるのだろう。

ボストンは遠く、中々訪れることができないだけに、「名古屋ボストン美術館」の閉館は惜しまれる。

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