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みたらい渓谷

2021.11.17
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 紅葉の渓谷美を見ようと、奈良県吉野郡天川村北角(てんかわむら、さとずみ)の「みたらい渓谷」を訪れた。「みたらい渓谷」は何度か来たことがあるが、駐車場に着くと、鮮やかな紅色であったであろうイロハモミジはほとんど落葉している。残念ながら絶好の時期を外してしまったようだ。自宅の周囲の山々の色づきが、まだ浅いので油断し、この渓谷の標高が700mほどあるのを忘れていた。気を取り直し、靴を履き替えて遊歩道へ向かう。

 「みたらい渓谷」の一番の見どころは、渓谷を流れる山上川が合流する川迫川(こうせいがわ)へ流れ落ちる場所なのであるが、川迫川沿いの国道309号線には駐車スペースがほとんど無いので、天川村川合で国道309号線から県道21号線に分かれ洞川温泉(どろがわおんせん)方面へ向かう。「すずかけの道」と名付けられた九十九折の急な道を上り、虻(あぶ)トンネルを抜けると、山上川沿いにある観音峰登山口駐車場(無料)に着く。遊歩道の橋を渡ると、左に行くと「観音峰」(1348m)への登山道、右の「みたらい渓谷」方向へ川沿いを下る。「観音峰」からは、近畿の最高峰である「「八経ヶ岳」(1915m)を望むことができる。

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 山上川は大峰山の山上ケ岳を源流とし、洞川温泉郷(どろがわおんせん)を通る辺りは、開けた谷で比較的流れは緩やかであるが、虻トンネル付近から谷は狭くなり、1.5kmほどで標高780mから650mまで一気に落ちていく。渓谷は、大小の滝が巨岩を縫うように流れ落ち、深い淵は底まで透けて見える。日が射せばエメラルドグリーンに見えるのであろうか。遊歩道は最初緩やかに下っていたが、20分ほど歩くと階段を下るようになり、日の光で水しぶきが光るという落差15mの「光の滝」が見えてくる。さらに少し下流では、岩場に下りて、清冽な水に触れることもできた。

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 さらに下り、吊り橋「みたらい橋」、落差25mの「みたらいの滝」を見て、谷に架かる「哀伝橋」(あいでんばし)を渡る。「哀伝橋」は、主ケーブルで床版を吊り下げる吊床版橋(つりしょうばんきょう)という構造の吊橋で、アスファルト舗装されている珍しい橋である。「みたらいの滝」は3段の滝で、そのあともいくつかの滝を連ねて川迫川へ流れ落ちる様子を橋の上から見ることができる。ここが「みたらい渓谷」を代表する絶景ポイントである。

 「みたらい渓谷」は「御手洗渓谷」と以前は表記されていた。南北朝時代に後醍醐天皇の皇子「護良親王」(もりよししんのう)が、ここで禊(みそぎ)をしたことから付いた名前と言われている。ダイナミックな渓谷美を堪能し、南朝の哀史にも思い馳せながらハイキングを楽しむことができた。「みたらい渓谷遊歩道」は天川川合から川迫川沿いに国道309号線の対岸(左岸)を上り、山上川との合流点から「みたらい渓谷」を上り、観音峰登山口を経て、洞川温泉までの全長7.4km約2.5時間のハイキングコースとなっている。川迫川の巨岩、奇岩も見どころで、次は大峰山系の雪解け水が流れる新緑の季節に来てみたい。

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