銚子川

2021.06.22
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 三重県南部の紀北町を流れる銚子川(ちょうしがわ)を訪れた。銚子川は、国内でも有数の降水量となる大台ケ原を源として熊野灘へと注いでいる。源流部の標高は約1600mで、わずか17kmほどで河口となる。急峻な山間を流れ下り、流域にほとんど人家が無く、河口まで清流が保たれ、透明度が高く、深い淵でも川底まで見ることができる。高い透明度が保たれるのは、伏流水の存在があげられ、川の水が川底石の間を上下行き来して、ろ過・浄化が繰り返されるからと言う。

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 左岸の県道は上流に向かうと、木津(こつ)地区で銚子川沿いの上流への道は車では行けず、魚飛橋を渡って、支流の又口川沿いとなる。ここから3kmほどが「魚飛渓(うおとびけい)」で、侵食された花崗岩の巨岩や奇岩、淵で形成される渓谷美となる。アユやアマゴが飛び交うので「魚飛渓」とのことだが、川原へ下りる道は無く、道は車1台が通るのがやっとの幅で、かなりの運転テクニックを要する。魚飛吊り橋の渡り口に僅かな駐車スペースがあり、吊り橋の上から渓谷美を堪能する。

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 下流に戻り、緩やかな流れとなったあたりにある公園施設「種まき権兵衛の里」の駐車場に車を停めた。「権兵衛が種まきゃカラスがほぜくる・・」の権兵衛さんは実在の人物で、入園無料の施設には権兵衛さんにまつわる資料館(コロナ禍で閉館中)と、とても良く手入れがされた日本庭園がある。庭園の池にはたくさんの鯉がおり、餌やりをして楽しむことができた。

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 駐車場から川原に下りると川底まで見え、透明度は抜群である。光の当たり方でエメラルドグリーンやコバルトブルーに見える水色は、川底石が、白色の石英斑岩のせいでもあり、「銚子川ブルー」と呼ばれている。パックテストでCOD(化学的酸素要求量)を測定してみると、限りなくCODはゼロに近い。銚子川が「キセキの川」と言われるのも頷ける。

 紀北町は平成30年に「自然と共生の町」宣言を行っている。役場、住民、銚子川ファンが一体となった清掃活動や、銚子川サポーター制度や協力金制度を設け、「キセキの川」の維持に努めている。梅雨の中休みに訪れた銚子川は、心も洗われる癒しの場であった。清らかな流れを何時までも残したいものである。

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