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インディアン水車

2020.10.06
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 秋になると、鮭が生まれた川に帰ってくる。ここは、北海道千歳市花園町。街中を流れる千歳川沿いの公園である。「道の駅サーモンパーク千歳」や「サケのふるさと千歳水族館」があり、水族館の脇の川に架かる歩道橋から「インディアン水車」、遡上する鮭を見ることができる。北海道では鮭が遡上するのを見ることができる河川はいくつもあるが、JR千歳駅から徒歩で約10分、新千歳空港からも車で10分程の近さで、容易に見ることができる。

 千歳川は支笏湖から東へ流れ出て、支笏湖火山群の湧水も集めて、千歳市街で北に向きを変え、石狩川に合流する。支笏湖と言う大きなダム、途中の5つの発電ダムもあり、湧水も集めることから流量は安定して多く清澄である。橋の上から見ると、「インディアン水車の下流側のところに、鮭が上流に上る順番を待つかのように、うごめいている。写真では見難いが、魚影が10匹ほど確認できる。多い日(大雨の翌日など)には、1日に1万匹以上遡上するそうである。

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 「インディアン水車」は川に簗(やな:魚の通路を遮断する格子)を設け、一部を開口させ、網かごを付けた水車で魚をすくい取るものである。網かごに入った鮭は水車の回転で上部にあげられ、横の開口部から滑り台で生簀(いけす)に落とされる。「インディアン水車」は、後に北海道庁初代水産課長となった伊藤一隆が1886年に渡米し、西海岸のコロンビア川で見て、日本に紹介したのが始まりで、千歳川での初設置は1896年。インディアンが使用していたからではなく、正式には「捕魚車」と呼ぶそうである。

 ここで行われている鮭の捕獲は観光目的ではなく、孵化、養殖のためであり、捕獲された鮭は、トラックで上流の「さけ・ます資源センター」の孵化場へ運ばれる。水族館には「水中観察ゾーン」があり、遡上する群れを見ることができる。北太平洋を回遊し成長した鮭は、川の匂いをかぎ分け石狩川からここまで70kmを遡上し産卵する。生まれた川へ母川回帰(ぼせんかいき)する姿は愛おしい。そういえば、酩酊しふらふらのお父さんが間違いなく奥さんの待つ自宅に帰るのも、りっぱな「帰巣本能」であろうか?

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