笠のそば畑

2020.09.28
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 猛暑の夏も、秋の長雨も終わり、過ごしやすい季節となってきた。近場であるが、そばの花が満開で見頃である奈良県桜井市大字 笠(かさ)地区のそば畑を久し振りに訪れた。笠地区は国の大和高原国営農地開発事業で造成された農地を活用し、400m~500mの 標高で水捌けが良く、そばの栽培に適した気候であることから、1992年から約15haの畑でそばの作付けを行っている。例年8月に種を撒き、9月中旬から花が咲き、10月下旬から収穫するとのことである。

 そばの栽培は、「(有)荒神の里・笠そば」と「笠そば栽培促進協議会」が営農促進、地域の活性化等を推進するために行っており、農地を望む高台にレストラン「笠そば処」と地元農産物の直売所も運営している。「笠そば処」では、笠地区のそばを「挽き立て、打ちたて、湯がきたて」としてRRしており、そば打ち体験教室も開き、そばを楽しむ機会と笠そばの知名度アップをはかっている。「笠そば処」は日本三大荒神の一つである「笠山三宝荒神社」の参道前にあり、今日は年3回(1月、4月、9月の各28日)の大祭の日で中々の賑わいである。昼前には直売所の野菜はすべて売り切れである。

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 各地で秋祭りが始まるころであるが、秋祭りは作物の収穫祭となっているところが多い。五穀豊穣の五穀は米・麦・粟(あわ)または稗(ひえ)、黍(きび)、豆の穀物を普通にさすが、そばは含まれない。「ソバ」はタデ科の植物であるが、そばの白い花畑のあぜ道には「オオケタデ」の赤い花も咲いていた。「蓼(たで)食う虫も好き好き」と言うが、蕎麦通(オタク)はうどん通(オタク)などから見ると、変わり者で、蕎麦は主要穀物ではなく嗜好品扱いにされる時がある。そばの花にカメラを向けていると、日本蜜蜂がやってきた。ソバは蜜源植物で、黒い鉄分が多い蜂蜜が採れる。蜜蜂はソバが「好き好き」なようである。

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蕎麦通(オタク)はウンチクを語りだすと止まらなくなるが、そば畑のあぜ道には、そばの花を撮り終わった数人のカメラオタクが望遠カメラで「ノビタキ」が飛び出す瞬間を狙っていた。「ノビタキ」は4~5月に南から日本にやってきて、本州では高原の草原で繁殖するとのこと。そうか、ここは大和高原かと思い出し、あぜ道には早くも「コスモス」が咲き始め、秋の気配である。
「笠そば処」で「ざるそば」を久し振りに食べたが、蕎麦もつけ汁もずいぶん美味しく、笠の人達も努力しているなと感じた。「信州信濃の蕎麦よりも、わたしゃあなたのそばが良い」とフーテンの寅の口上も懐かしいが、「わたしゃあなたのそばで(コロナ禍で叶わないが)蕎麦が食べたい」。新そばは11月15日から提供されるとのことである。

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