レンゲ畑

2020.04.25
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 買い物の帰りに天香久山の麓の脇を通ると一面の「レンゲ畑」である。化学肥料が広く使われるようになり「レンゲ畑」は、急速に減少したが、このあたりの田んぼでは、「レンゲ畑」が結構残っている。車を降りて近寄ってみると、セイヨウミツバチがレンゲの花に次から次へと飛び移り、花の蜜を集めるのに夢中である。レンゲは主要蜜源植物の一つであり、良質の蜜が取れるので人気が高い花である。この周辺は菜の花畑もあり、養蜂家が毎年やって来る場所である。

 小学校では、「春の小川はさらさら行くよ。岸のすみれや、れんげの花に、すがたやさしく、色うつくしく、咲けよ咲けよと、ささやきながら。」と歌い、学校帰りに少女達は「れんげつもか、はなつもか。ことしのはなは ようさいた。おみみをまわして すっとんとん。もひとつまわして すっとんとん。」と花飾りを作って遊んだものである。稲刈り前の水田の水を抜いて、種を蒔いて翌春に花を咲かせ、田んぼの土に鋤き込むまで紅紫色の花畑が一面に広がる「れんげ畑」の風景は春の風物詩であった。

 植物は体を構成する主な元素である、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)は、二酸化炭素(CO2)や、水(H2O)から取り込むことができるが、肥料の三大元素(窒素(N)、燐(P)、カリウム(K))の一つ、窒素(N)は空気中に8割ほどもあるのに、光合成では取り込むことができない。レンゲはマメ科の越年草で、根に根粒菌のこぶがあって、根粒菌は空気中の窒素(N)を固定し、窒素肥料のようなかたちに変えてレンゲに与え、レンゲは光合成で作った養分を根粒菌に与え、共生の関係にある。

 今、緊急事態宣言が出され、不要不急の外出の自粛、三密(密閉、密集、密接)の抑制が声高に言われている。蜜蜂の巣箱は三密であるが、蜜蜂は一生懸命に花の蜜を集め、栄養価の高い蜂蜜に加工してくれている。レンゲ、根粒菌、蜜蜂と生物は共生の営みを黙々と行っている。世の中がコロナ禍でぎすぎすしている今こそ、共生の精神と、他への思いやり・感謝の気持ちを大事にしたいものである。レンゲの花言葉は「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」である。

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