ヤドリギ

2020.03.17
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 散歩途中でソメイヨシノを見ると、蕾がかなり膨らんで、開花が近いのがわかる。見上げると、枝状のかたまりが見え、黄緑色なのでヤドリギであることに気付いた。ヤドリギは、樹木の幹に「寄生根」を食い込ませ、水分と養分を吸収して生長することから「宿り木」あるいは「寄生木」と当て字されている。宿主となる樹木はエノキ・ブナ・ミズナラ・サクラなどの落葉高木で、栄養分を宿主から吸収しているが、宿主樹木を枯らせてしまうことはない。宿主に宿代を払うことは無いが、自ら光合成は行っており半寄生である。

 望遠で撮った写真を良く見ると、実がなっているのがわかる。大地に根を張らない植物がどうやって子孫を代々繋いでいくのであろうか? 調べると、果実の内部は粘着性の液状物質で種子を包んでおり、食べた鳥の腸を容易に通過し、粘液質の糸を引いて樹上に落ち、種子は樹皮上に張り付くと、そこから発芽して樹皮に根を下ろし寄生がはじまるそうである。居候のようなヤドリギであるが、種の生き残り方法は巧みである。

 ヤドリギの花言葉は、「困難に打ち克つ」「忍耐」であり、「キスしてください」の花言葉もある。大地に根をはらず、木々に寄生し繁殖する常緑のヤドリギは、古くから西洋では「再生のシンボル」、「永遠の命のシンボル」として神聖視され、宗教的に神聖な木、幸運を呼ぶ木とされている。クリスマスには、リースとして飾り、ヤドリギの下でキスすることが許されているそうである。

 世界中を席捲している新型コロナウイルスはヤドリギと異なり、自己増殖はなく、宿主(人体)の細胞に寄生し弱らせてしまう。大変な厄介な疫病であるが、人類は「困難に打ち克つ」知恵と行動力を発揮しなければならない。もう一つの花言葉である「キスしてください」は感染拡大を防ぐため、しばらくの間、濃厚接触はタブーである。

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