トップページ > 鶴見緑地便り > シマフクロウ

シマフクロウ

2019.12.18
%e3%82%b7%e3%83%9e%e3%83%95%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%a6

 フクロウはそのキャラクターから「森の長老」、「森の知恵袋」として民話などによく登場します。首が左右270度も回転し、優れた視力と聴力で小動物の動きを察知し、音もなく飛んで餌を捕まえます。首の頸椎(けいつい)が人間の2倍(14個)もあり、眼球が固定して動かない形態を補っているそうです。頭がくるくる回る姿はとても愛くるしいです。北海道にのみ生息するシマフクロウはアイヌの人々からは「コタン・コロ・カムイ(村を守る神)」と崇められる、全長70センチメートル、翼開長180センチメートルに達する世界でも最大級のフクロウです。

 写真は知床半島の東部、羅臼(らうす)町の民宿が設けた観察施設にやってきた番(つがい)です。メスのおなかにはおそらくもう卵があって、この時期にはオスはメスに餌をいっぱい食べるように促すそうで、オスは魚をくわえて、「お前も捕れ」とでも言うように、メスを見守っていました。オスがメスに餌をあげることもあるそうです。
当地では、給餌用の生け簀を設置していますが、フクロウ自身の狩猟能力を落とさないため簡単に捕れない造りにしているそうです。安価な魚であるウグイばかりを与えていると生殖障害が出ることがわかり、現在は高価なオショロコマ(カラフトイワナ)等を与えているそうです。

 北海道と本州を隔てる津軽海峡は、イギリスの動物学者トーマス・ライト・ブラキストンが提唱した動物相の分布境界線、ブラキストン線でもあります。この線を北限とするのが、ツキノワグマ、二ホンリス、南限とするのがヒグマ、エゾリス、などと多数あり、北海道のみに生息するシマフクロウの学名の種小名「Blakistoni」はブラキストンへの献名だそうです。シマフクロウは現在の生息数は160羽程度と推定されており、絶滅のおそれが最も高い絶滅危惧ⅠA類に分類され、より危機的な状況となっているそうです。生態ピラミッド(食物連鎖)の鳥類の頂点は大型の猛禽類ですが、食性が動物食であり(タンチョウは雑食性)、一組の番(つがい)で広い縄張りを必要とし、群れを成さず、環境の変化への対応、繁殖が難しく絶滅危惧種となりやすいと言われています。

 シマフクロウは日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に所属する北海道コンサドーレ札幌のエンブレムにもなっており、道民には馴染み深い存在となっています。サッカーには熱い応援、シマフクロウには生き永らえるための息長い応援が必要です。

ページトップ