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タンチョウヅル

2019.12.17
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 タンチョウ(丹頂)は美しい鳥です。全長140センチメートル、翼を広げると240センチメートルにも達する日本最大級の鳥類ですが、誠に容姿端麗、清楚な姿をしています。頭頂に羽毛がなく地肌が露出し赤いことから丹頂鶴と言われ、昔話、絵画など、文学、美術のモチーフとして古来親しまれています。縁起物、高貴の象徴とされ、神聖視もされ、アイヌの人々からは「サロルンカムイ(湿原の神)」と呼ばれて慕われ、求愛動作をまねた舞踊も伝わっています。

 写真は、標津郡中標津町(なかしべつ)の牧草地の給餌場に数十羽が群がっているところです。外気温が低いのと、大きな鳥なので吐く息も白く大きく見え、息吹(生命力)の強さを目の当たりに感じ、美しい振る舞いには息をのんで見入ってしまいました。タンチョウは餌を食べ終わると、番(つがい)が一緒に飛び立った後、十数羽が番と同じように、てくてく歩きだしたので、カメラを構えて待ったが、番とは逆の方向に飛び立ってしまい、残念なことにシャッターチャンスを逃してしまいました。夕日を背に飛び去る群れを、感動の余韻にひたりながら見送りました。

 タンチョウは明治以前には本州でも広域に見られたようですが、明治以降、生息地となる湿原が急速に失われ、生息数は激減し、大正13年(1924年)に釧路湿原の奥地で十数羽確認されるまでは絶滅したと考えられていたそうです。1952年大雪の年に人里に近づいた個体に、阿寒村や鶴居村で餌付けに成功し、保護活動により、1970年代以降生息数は増加し、現在では釧路湿原を中心に約1800羽の野生のタンチョウが生息しているそうです。

 日本の空港で愛称名として鳥の名がついているのが、「たんちょう釧路空港」と兵庫県の「コウノトリ但馬空港」です。タンチョウは絶滅危惧Ⅱ種、コウノトリは絶滅危惧ⅠA種で、どちらも地域あげて保護繁殖活動が行われています。地域おこしを進めながら、自然繁殖する野生の環境を保護維持するのは難しく思いますが、絶滅させることなく愛称名を使い続けることが出来ますように見守りたいです。

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